戯言
昔から。自分の生命だけがとてもとても軽いように下等なもののように感じていた。
だから簡単に投げ出したくなったのだろう。
私が私の時を生きているという自覚、現実感も極めて希薄だった。
だから簡単に投げ出したくなったのだろう。
今は気にしていない。
私の命が下等でも、私が人の形を成している限りは人としての権利を持たせて頂く。それだけ。
もういい。好きなことで生きていけるよう手を尽くして、勉強して、訓練していくだけ。
その過程でもし挫折したらどうするか?のプランを考えていく。
普通ならこんなこと早ければ10代でするんじゃないのか。だが私が自我に目覚めるには長い長い年月を要した。
仕方がない。死ぬまでに同じ世代の人々と肩を並べられるよう努めればよい。
こうやって割り切るようになったつもり。
それでも、自分の命の軽さを思い出して悲しくてたまらなくなることもある。
守られたかった。
大切にされたかった。
情が欲しかった。
全て昔のこと。確かにあった、昔のこと。
全てを抱えたまま、引きずりながら生きていく覚悟が、やっと決まった。